ビジネスパーソンのためのメンタルヘルスマネジメント 2ndシーズン

心の健康は、仕事のパフォーマンスを左右することも。 心の健康のために、ぜひ実践してほしいのがセルフケアとコミュニケーション能力UP。 ここでは、ちょっとしたアイデアやすぐに実践できる方法を提案します。

今日からできるセルフケア

今日からできるセルフケア

~怒りの感情を上手に処理する~

「怒り」をコントロールする技(テクニック)

「怒り」はストレスの原因になりやすい感情です。職場の大きなストレスとして人間関係がよく挙げられますが、怒りはそれ自体がストレスとなるだけでなく、人間関係を悪化させ、さらなるストレスを生むおそれがあります。そのため、怒りの感情をコントロールする技術である「アンガーマネジメント」を研修・導入する職場もあるようです。
ここでは大脳のメカニズムから、怒りの感情をコントロールするヒントを紹介します。

マンガ:「「怒り」をコントロールする技(テクニック)」

怒りとコントロールのメカニズム

怒りがコントロールしにくい理由は、私たちの本能に関係しているためです。怒りの爆発的な感情は、交感神経系を活性化して全身を瞬時に興奮状態にし、戦いや逃避に役立ちます。

怒りの感情が生じているときは、大脳では感情や本能を司る「辺縁系」という部分が活性化しています。この部位は動物に共通する原始的な脳といわれています。ブレーキにあたる感情をコントロールする部位は理性を司る「前頭葉」で、サルや人間などで発達した新しい脳の部分です。つまり怒りのような反応は生存に関わる、動物に共通するもので、それをコントロールできるのは人間のように高度に発達した脳をもつ動物に限られるといえます。

この脳の部位の違いが、怒りのコントロールに関係します。辺縁系で怒りがわいてから、それを抑えるために前頭葉が活性化するまで3~5秒の時間のズレがあるためです。つまり、怒りのコントロールは、この時間の差をどう埋めるか、またいかに辺縁系の働きを抑えて前頭葉の働きを強くするかがポイントになります。怒りの感情はずっと続くものではなく、短時間で変えられる可能性があることを知っておいてください。

辺縁系が活性→前頭葉が活性

おすすめのセルフケア

前頭葉が活性化するまで時間を稼ぐ

第3代米国大統領のトーマス・ジェファーソンは「腹が立ったら10まで数えよ。うんと腹が立ったら100まで数えよ」といっています。アンガーマネジメントでも怒りを感じたら「6秒」がまんすることを推奨しています。

数を数えたり、周囲の風景などに意識を集中するなどして、怒りの感情を発散するのを6秒間抑えることができれば、前頭葉が活性化して怒りがコントロールしやすくなります。

前頭葉が活性化するまで時間を稼ぐ

怒りから意識をずらす

前頭葉が活性化するまでの間、怒りから意識をずらすために、別の大きな刺激を自分に与えましょう。例えば足や腕をつねって痛みを与えたり、頭のなかで「ストップ!」と叫んだり、手を思いきり握り続けてみるなど、自分に合った方法を、できれば人に気づかれないように行ってみましょう。相手が目の前にいない場面であれば、水を飲みに行ったり、深呼吸をするなども効果的です。

怒りから意識をずらす

怒りの間は言葉に注意する

会話など相手がいるときに怒りがわいたときは、前頭葉が働くまでは言葉に注意しましょう。怒りの感情が言葉や声のトーン、表情などに反映するため、それが相手の怒りを誘発・増大させ、そのようなやり取りから、最初は小さな怒りの火が、大きな炎となり収拾がつかなくなるおそれがあります。

そのようなときは相手の言葉を、「そうですね」「なるほど」など否定的にならない無難な言葉で受け、呼吸が荒くならないように意識しながら、ゆっくりしゃべるようにしましょう。

怒りの間は言葉に注意する

売り言葉に買い言葉で怒りの悪循環に

相手の立場になって考えてみる

腹が立つ相手の言動も、相手の身になって考えてみると、「まあしかたがないかな」と思える場合が少なくありません。そのように客観的に見るクセがつくと、怒っている自分の姿が周囲にどう見られているかなどにも思いがいくようになり、すぐにカッとならなくなります。

相手の立場になって考えてみる

日頃から怒りに対する耐性をつくる

楽しいことや生きがいがあったり、家族やプライベートの人間関係が充実していたり、ペットとのふれあいなど心が安らぐ時間があると、怒りがわきにくくなります。これはストレスがたまりにくいこともありますが、そのような場面のときにセロトニンなどの心をおだやかにするホルモンが分泌されることで、怒りにくくなると考えられています。
逆にすぐに腹が立つようなときは、体調や生活を振り返り、問題点に気づくことが解決につながります。

日頃から怒りに対する耐性をつくる